本当は何座生まれか

　皆さんは、自分の誕生宮（星座）を正確に知っていますか。

　たいていの人は下記のような表で確認しているでしょうが、実はこの表に示すよう な境目の日に生まれた人は、誤っていることがあるのです。例えば、西暦2000年の３月２０ 日に生まれた人でも双魚宮（うお座）とは限らないのです。

　　　　　　　生まれた月日と星座宮の大体の関係

　　　　生まれた月／日　　　     黄道十二宮 [Zodiac]
    
　　３／２１〜　４／２０    白羊宮（おひつじ座）[Aries; Ram]
    ４／２１〜　５／２１    金牛宮（おうし座）[Taurus; Bull]
    ５／２２〜　６／２１    双子宮（ふたご座）[Gemini; Twins]
    ６／２２〜　７／２３    巨蟹宮（かに座）[Cancer; Crab]
    ７／２４〜　８／２３    獅子宮（しし座）[Leo; Lion]
    ８／２４〜　９／２３    処女宮（おとめ座）[Virgo; Virgin]
　  ９／２４〜１０／２３    天秤宮（てんびん座）[Libra; Balance]
  １０／２４〜１１／２２    天蝎宮（さそり座）[Scorpio; Scorpion]
  １１／２３〜１２／２２    人馬宮（いて座）[Sagittarius; Archer]
  １２／２３〜　１／２０    磨羯宮（やぎ座）[Capricorn; Goat]
　  １／２１〜　２／１９    宝瓶宮（みずがめ座）[Aquarius; Water Bearer]
　　２／２０〜　３／２０    双魚宮（うお座）[Pisces; Fishes]

　星占いは、動かない大地の周囲を星が回るという天動説で考えます。 　太陽が回る天の道を黄道と呼びます。 　黄道上つまり太陽の通り道に１２個の星座があります。（へびつかい座もいれれ ば１３個になりますが、さそり座とダブルので無視されています。） 　星座早見盤とか星図を見れば分かるように、１２個の星座の大きさはバラバラです。 そうすると、一番大きい星座の生まれの人が他の星座の生まれの人より多くなってし まいます。
　そこで、星占いでは黄道の一回り３６０度を１２等分して３０度づつに分けて、その ひとつひとつを何々宮と呼ぶことにしているのです。

＊＊黄道１２星座は実際の星座ですが、黄道１２宮は概念上 の星座なのです＊＊

　地球の赤道を土星の輪のように広げていくと、天の黄道と２ヵ所で交差します。 　その交差点を春分点と秋分点と呼びます。 　星占いでは、この春分点を起点にして、黄道を３０度づつに分けています。 　春分点から３０度分の黄道の範囲を白羊宮と呼びます。そして、その次の３０度分の 範囲を金牛宮と呼ぶというように、１２の宮を等間隔に割り当てます。

　実際の星座と対応づけてみると、現在の星座早見盤とか星図を見れば分かるように、 春分点は「うお座」にあります。星占いの名前では双魚宮になります。 　実際の春分点が「うお座」にあるのに、星占いでは、春分点のある星座を「おひつじ座」 と考えるのです。つまり、春分点にたいして星座の名前ををひとつ分だけずらしている のです。

　このずれは、地球の歳差運動が原因です。地球は回転するコマに似ています。コマは ゆっくり回転すると首を振ります。地球も自転軸をコマの回転軸のように考えると、 その軸の先端は約２万６千年で一回首を振っています。 　簡単にいえば、地球の太陽に対する傾き具合が変化しているわけです。そうすると、 違った傾きの時の地球の赤道を天に広げていくと、黄道との交差点も変わります。 つまり、黄道上の春分点の位置が変わるわけです。
　星占いは古代にバビロニアのあたりを中心に発展しました。その当時の春分点は本当 に「おひつじ座」つまり白羊宮にあったのです。星占いは、この時の呼び名を変えないの です。

　太陽が春分点に来た日がカレンダーの春分の日ですが、星占いは春分の日から約１ヵ 月を白羊宮の範囲にしているのです。現在、「うお座」にある春分点は歳差運動により、 いずれ「みずがめ座」に移ります。そうすると、春分の日も２月の何日かになるでしょう が、そうなっても、星占いはその日を起点に白羊宮と名付けるのです。

　はっきり言えば星占いは春分点からの角度だけが大事で、単なるラベルである星座の 名前にはこだわらないのです。 　黄道の角度を経度で表わして黄経何度と呼んでいます。 　春分点は黄経０度です。 　黄経０度から黄経３０度の間に太陽があるときに生まれた人が白羊宮の生まれになる のです。
　そのため、生まれた日が何月何日かというだけでは、何宮生まれと特定できないこと があります。上の表は、通俗的な星占いの本によく書いてある月日ですが、初めの月日 と終わりの月日に生まれた人は、よく間違えます。

　西暦2000年の春分の日は３月２０日でした。それでは、この日に生まれた人は双魚 宮（うお座）生まれなのでしょうか、それとも白羊宮（おひつじ座）生まれにな るのでしょうか。

　正確に言うと西暦2000年の太陽が春分点(太陽黄経０度)に来た瞬間は、３月２０日 午後４時３５分でした。仮に、３月２０日にある産院で双子の赤ちゃんが生まれたと します。最初の子が午後４時３０分に生まれたとします。この時刻には太陽はまだ春 分点に達していないのです。そこで、最初の子は白羊宮の一つ前の双魚宮生まれとい うことになります。そして、二番目の子が午後４時４０分に生まれたとします。この 時刻には太陽は春分点を通過しています。そこで、二番目の子は白羊宮の生まれにな ります。

　地球の首振りの方向とコマの首振りの方向は逆になっています。つまり コマの軸が自分の自転と同じ向きに歳差運動を行うことにたいして、地球の場合は 逆向きに歳差運動を行います。